コーポレート?ガバナンス

コーポレート?ガバナンスの基本方針

積水化学グループ(以下「当社グループ」)は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ることをコーポレート?ガバナンスの基本方針としています。その実現に向け、経営の透明性?公正性を高め、迅速な意思決定を追求するとともに、社是に掲げる社会的価値の創造を通して、当社グループが重視する「お客様」「株主」「従業員」「取引先」「地域社会?地球環境」の5つのステークホルダーの期待に応え続けていきます。

SEKISUI コーポレート?ガバナンス原則

当社は、コーポレート?ガバナンス向上の取り組みを一層進化させ、ステークホルダーに対して、当社の考え方と取り組みについてお伝えすることを目的として、「SEKISUIコーポレート?ガバナンス原則」を制定?公表しています。
上記原則に加えて、「コーポレートガバナンス?コード」における基本原則?原則?補充原則の全78 項目に対する当社の取り組み状況や考え方について、「コーポレートガバナンス?コード各原則への取組みについて」として取りまとめ、公表しています。

コーポレート?ガバナンス体制

機関設計

当社は、会社法上の機関設計として、監査役会設置会社を選択しています。カンパニー制のもと、各カンパニーの事業環境変化に迅速に対応するため、監督機能(取締役)と業務執行機能(執行役員)の分離を行うことを目的とした執行役員制度を導入しています。

コーポレート?ガバナンス強化に向けたこれまでの取り組み

2001年 カンパニー制を導入
2008年 執行役員制度を導入
社外取締役制度を導入し、独立性ある経営者2 名を社外取締役として招聘
2015年 社外役員の独立性基準を制定
2016年 指名?報酬等諮問委員会(委員長:社外取締役)を設置
2018年 社外取締役を1 名増員し、3名体制に

コーポレート?ガバナンス体制図

コーポレート?ガバナンス体制図

取締役会

取締役会の役割?責務

取締役会は、全社基本方針の決定や高度な経営判断、業務執行の監督を行う機関と位置づけ、十分な独立性を有する社外取締役3名を選任することにより取締役に対する実効性の高い監督体制を構築し、経営の透明性、公正性を確保しています。

取締役会の構成

当社は、取締役の員数を15名以内としており、そのうち複数の社外取締役を選任することとしています。
当社の取締役会は、優れた人格?見識?高い倫理観を有し、かつ知識?経験?能力を備えている取締役によって構成しています。
また、社外監査役を含む監査役全員が取締役会に出席することとしています。
当社は事業領域?規模に応じた適切な意思決定を行うために、取締役会メンバーの多様性と適正人数を保つこととしています。
社内取締役に事業のトップであるカンパニープレジデントと豊富な経験?専門性を有するコーポレートの統括役員を選任し、広範な知識と経験を有する複数の独立社外取締役、専門性を備えた監査役を含めて、多様性?規模の適正性、能力のバランスを確保し、取締役会の役割?責務を実効的に果たしています。

氏名 当社における地位 在任年数
(2019年6月20日
総会終結時)
取締役会への
出席状況
(2018年度)
監査役会への
出席状況
(2018年度)
指名?報酬等
諮問委員会
髙下 貞二 代表取締役社長
社長執行役員
14年 100%
(17/17回)
加藤 敬太 代表取締役
専務執行役員
5年 100%
(17/17回)
平居 義幸 取締役
常務執行役員
4年 100%
(17/17回)
竹友 博幸 取締役
常務執行役員
3年 100%
(17/17回)
神吉 利幸 取締役
常務執行役員
清水 郁輔 取締役
常務執行役員
加瀬 豊 独立社外取締役 3年 100%
(17/17回)
大枝 宏之 独立社外取締役 1年 100%
(13/13回)
石倉 洋子 独立社外取締役
長沼 守俊 常勤監査役 2年 100%
(17/17回)
100%
(18/18回)
濱部 祐一 常勤監査役 3年 100%
(17/17回)
100%
(18/18回)
小澤 徹夫 独立社外監査役 5年 100%
(17/17回)
100%
(18/18回)
鈴木 和幸 独立社外監査役 4年 100%
(17/17回)
100%
(18/18回)
清水 涼子 独立社外監査役
氏名 取締役?監査役が有する知識?経験?能力
企業経営
経営戦略
財務?会計 法務 品質管理 人事?労務
人材開発
国際性 研究開発
髙下 貞二
加藤 敬太
平居 義幸
竹友 博幸
神吉 利幸
清水 郁輔
加瀬 豊
大枝 宏之
石倉 洋子
長沼 守俊
濱部 祐一
小澤 徹夫
鈴木 和幸
清水 涼子

※上記一覧表は、取締役?監査役の有する全ての知見を表すものではありません。

役員の年齢構成について

30歳未満 30 ~ 39歳 40 ~ 49歳 50 ~ 59歳 60歳以上
役員年齢構成別
人数(人)
男性 0 0 0 4 4
女性 0 0 0 0 1

※ 2019 年6 月20 日総会終結時

社外取締役

当社とは異なるバックグラウンドにおける豊富な経営経験と専門的知見から監督および助言をいただき、当社の企業価値向上に貢献いただくため、独立性の確保された社外取締役を3 名選任しています。特に当社が重点的に取り組みを進めているグローバル展開、ビジネスモデル革新、ESG 経営の強化などの施策に対して、多様で客観的な視点から助言を得ています。

加瀬 豊 社外取締役

双日株式会社顧問を務めており、総合商社の経営者として培われたグローバルな企業経営や経営戦略に関する豊富な経験と実績を活かし、当社の経営への助言や業務執行に対する適切な監督を行っていることから、当社グループの企業価値向上に寄与していただけるものと判断し、選任しております。

大枝 宏之 社外取締役

株式会社日清製粉グループ本社特別顧問を務めており、国内最大手製粉会社の経営者として培われたグローバルな企業経営や経営戦略、海外M&A の実施など幅広い経験と手腕を活かし、当社の経営への助言や業務執行に対する適切な監督を行い、当社グループの企業価値向上に寄与していただけるものと判断し、選任しております。

石倉 洋子 社外取締役

一橋大学名誉教授として、国際政治経済および国際企業戦略に関する高い学識を有し、複数のグローバル企業における社外取締役としての経験を通じて企業経営に精通しています。さらに、当社グループが取り組むダイバーシティ経営や女性活躍推進にも積極的に関与されていることから、当社の企業価値向上に寄与していただけると判断し、選任しております。

取締役会の実効性に関する評価

当社では、毎年、取締役会の実効性を評価しています。
取締役会では、適切な議題設定がなされ、十分な議論時間の確保と社外取締役を含めた取締役および監査役から活発な意見提言が行われていることから、当社グループの企業価値向上に寄与し、適切に機能していると判断しています。
2018 年度は重要な経営課題として、成長戦略(R&D、M&A?出資、大型新規事業など)と基盤戦略(働き方改革、CS 品質など)を取り上げ、取締役会で十分な審議を行いました。また取締役会では十分な議論時間が確保され、社外取締役を含む取締役や監査役から活発な意見提言が行われていることを確認しました。
取締役候補者の選定や個人別評価?報酬等の額は、指名?報酬等諮問委員会で審議を行い、取締役会ではその答申を受けて決定しました。指名?報酬等諮問委員会は、代表取締役社長の後継者計画、取締役会の構成および実効性、ガバナンス強化の取り組みなどの議論を含め、9回開催しました。
2019 年度も重要な経営課題の審議を一層充実させ、取締役会として適切な意思決定を行うことで、経営の透明性?公正性を確保したいと考えています。

取締役および監査役への支援および連携

社外取締役に対しては、取締役会での審議の充実を図るため、取締役会資料の事前配布および事務局担当役員による事前説明を行うほか、就任時のオリエンテーション、年複数回の事業所視察などにより、事業への理解を深める機会を継続的に提供しています。また、社外役員による経営監督の実効性を一層高めるため、委員の過半数が社外役員である指名?報酬等諮問委員会での審議を充実させるほか、監査役や会計監査人との対話も実施しています。後継者計画の観点では、四半期決算ごとに行う執行役員連絡会における社外取締役の講演や、株主総会後の新経営体制発足時に取締役?監査役?執行役員が一堂に会する機会を設けるなど、現経営陣と次期経営層候補者との接点も強化しています。

事業所視察

当社および当社グループの幅広い事業内容についての理解を深めるため、毎年、社外役員による事業所視察を実施しています。2018年度は住宅カンパニーが全国展開に注力しているハイムミュージアム、グループの成長領域である積水メディカル(株)を訪問しました。

経済、環境、社会項目に関するステークホルダーとの協議

四半期決算ごとに行う執行役員連絡会では、決算発表の共有と併せ、社外から講演者を招聘し、経営課題に直結する経済?社会動向の最新情報を得るようにしています。

【執行役員連絡会の2018 年度講演テーマ】
〇第3の超景気-ゴールデン?サイクルで読み解く2025年
〇会社が行う不正調査の目的と方法
〇戦略的M&Aの実行に向けて
〇情報セキュリティの動向と強化策について

指名?報酬等諮問委員会

当社は、取締役会の機能を補完し、より経営の公正性?透明性を高めるため、指名?報酬等に関する任意の諮問委員会を設置しています。
指名?報酬等諮問委員会は、経営陣幹部の選解任、取締役候補の指名、取締役の報酬制度?報酬水準等、取締役会の実効性向上に係る事項、元代表取締役社長等の顧問?相談役の委嘱や処遇等を審議し、取締役会に意見の答申および助言を行います。
指名?報酬等諮問委員会は、過半数を独立社外役員とする5 名の委員で構成し、委員長は独立社外役員より選出します。

役員の報酬等

(1)報酬等の決定に関する方針

①基本方針

当社役員の報酬制度は、当社グループ経営理念実現のために、次の方針を定めています。

?当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資するものであること
?当社役員が、株主と利益意識を共有し、株主重視の経営意識を高めるものであること
?当社役員にとって、経営計画の達成を動機づける業績連動性の高い報酬制度であること
?当社グループの競争力向上のため、多様で優れた経営人材を獲得し保持できる仕組み及び水準であること

②報酬の考え方

当社の業務執行取締役の報酬等は、基本報酬、賞与、株式報酬で構成されています。社外取締役および監査役の報酬は、基本報酬のみで構成されています。

<基本報酬>

基本報酬は、役員報酬枠の範囲内で、取締役の役割と責任に応じた一定額を支給します。業務執行取締役には、基本報酬のうち一定額を、役員持株会を通じて当社株式の購入を義務付け、株価を重視した経営意識を高めています。

<賞与>

賞与は、全社業績、カンパニー業績、ROE(自己資本利益率)および配当政策に連動した支給基準に基づいて報酬額が決定される業績連動報酬です。

<株式報酬>

株式報酬は、当社グループの中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意欲を一層高めることを目的として、取締役(社外取締役を除く。)の職務別に付与数を定めたインセンティブプランです。取締役が中長期的な企業価値向上に貢献した成果を、退任時に株式価値に反映された株式で享受する仕組みにしており、より中長期的な株主価値との連動性が高くなるように設計しています。

(2)役員報酬の決定プロセス

当社は、役員報酬制度の目的を達成するため、取締役会の諮問機関として、「指名?報酬等諮問委員会」を設置し、取締役の報酬の仕組みと水準を審議し、個別報酬の妥当性を検証しており、客観性?透明性ある手続きでなされています。

<指名?報酬等諮問委員会の活動の概要>

  • 本委員会は、委員長(社外取締役)が招集する。
  • 本委員会の議案は各委員より上程され、事務局がこれをとりまとめて委員長に提示する。
  • 本委員会の審議結果は、委員長が取締役会に答申する。
  • 取締役会は本委員会の答申を尊重し、最終的な方針決定を行う。なお、本委員会の委員および取締役は、これらの決定にあたり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの観点から行うことを要し、もっぱら自己または当社の経営陣を含む第三者の個人的利益を図ることを目的としてはならない。

2018年度の役員報酬額

(金額:百万円)

区分 基本報酬 賞与 株式報酬
対象人員 金額 対象人員 金額 対象人員 費用計上額 対象人員 総額
取締役 11名 308 7名 142 7名 57 11名 508
うち社外取締役 3名 33 -名 -名 3名 33
監査役 5名 85 -名 -名 5名 85
うち社外監査役 3名 28 -名 -名 3名 28

(注1) 上記には、2018年6月27日開催の第96回定時株主総会の終結の時をもって退任した取締役1名を含んでいます。

(注2) 上記報酬等の額には、使用人兼務取締役に支給した使用人分給与賞与相当額134百万円を含んでいません。

?株主総会招集通知はこちら
https://www.sekisui.co.jp/ir/stocks/soukai/index.html

役員の自社株保有ガイドライン

取締役(社外取締役を除く。)と執行役員を対象に、中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意欲を一層高めるため、「株式報酬制度」を導入するとともに、一定数以上の株式を保有する「自社株保有ガイドライン」を設けています。

執行役員制と執行役員会

当社は、企業価値の最大化を図るべく、カンパニー制に基づくマネジメント体制を構築しています。業務執行に専念する執行役員を各カンパニーに置くとともに、カンパニーの最高意思決定機関として執行役員会を設置し、取締役会から大幅な権限を委譲しています。執行役員の任期は1年とし、取締役会の決議により選任します。
カンパニーへの権限移譲により、取締役会は、積水化学グループの経営の基本方針決定と高度な経営判断、業務執行の監督を担い、企業価値の継続的な向上に努めます。

経営体制

経営体制

監査体制

監査役選任の考え方

監査役には企業経営および財務?会計知識に長けた人材の登用を図っています。
2019年度の監査役は、常勤の社内監査役2名と非常勤の社外監査役3名の合計5名となっており、社内監査役の2名には前監査室長および前経営管理部長を選任し、社外監査役のうち1 名は公認会計士かつ監査法人勤務のご経験を有する清水涼子氏に就任いただいています。

内部統制システム

2006年5月、当社における業務の適正を確保するための内部統制システム構築に関する基本方針を取締役会で決議しました。
具体的にはグループ経営理念に基づく「企業行動指針」のもと、当社とグループ会社間の指揮?命令、意思疎通の連携を密にするとともに、当社はグループ会社に対して指導?助言?評価を行いながら、グループ全体としての業務の適正を図っています。

コンプライアンス

全社的にコンプライアンス活動を強化するため、社長が委員長を務めるCSR 委員会において、取締役会の承認を要する「コンプライアンスに関する基本方針等」の審議を行います。さらに、コンプライアンスに関する取り組みを全社横断的に統括する「コンプライアンス分科会」を設置し、コンプライアンスを重視する風土をつくり上げるべく活動を行っています。

リスクマネジメント

当社では、リスクの発現を未然に防止する活動(リスク管理)とリスクが発現した時に対応する活動(危機管理)を一元的に管理する全社的リスクマネジメント体制を構築しています。コーポレート人事部内にリスクマネジメントグループを置き、この体制の推進及びブラッシュアップに努めるとともに、当社およびグループ会社の取締役?執行役員および従業員に周知徹底を図っています。
リスク管理活動は「積水化学グループリスク管理要領」に基づき173 の組織で展開中であり(2018年度)、自組織におけるリスクを洗い出し、分析/ 評価の後に対策を講じ随時レビューしながら是正を繰り返すマネジメントサイクル(PDCA)を回しています。また、抽出されたリスクを専任部署が適時分類整理し、必要に応じて「CSR 委員会」の各分科会等に報告し全社的対応策を審議しています。
危機管理活動は、「積水化学グループ危機管理要領」に基づき実施されています。コーポレート各グループとカンパニー担当者からなる危機管理連絡会を定期的に開催し、事例研究や訓練を重ねています。
海外における危機管理活動は、「積水化学グループ海外危機管理要領」に基づき、海外危機管理事務局および世界9地域に配置している地域危機管理責任者を中心に推進しています。

情報開示(ステークホルダーとのコミュニケーション)

当社グループでは、全てのステークホルダーとの相互理解を深め、信頼関係を構築するためには、適時、適切かつ積極的な情報開示が重要であると考えています。この考えを、当社グループ全体で確実に実践していくため、「企業情報開示理念」のもと、具体的な開示内容や開示体制などに関して「企業情報開示規則」を策定し、社内の情報開示体制を強化しています。
また経営戦略部IRグループを中心に、株主?投資家の皆様との双方向コミュニケーションの強化を図っており、決算情報など経営関連情報を適時?適正に開示することはもちろんのこと、株主の皆様からのフィードバックを積極的に経営に活かす努力をしています。具体的には、四半期毎の経営陣による決算説明会のほか、アナリスト?機関投資家の方々とのワン?オン?ワンミーティングなどを積極的に行い、資本市場の声に耳を傾けています。
情報開示に際しては、フェアディスクロージャーに十分配慮し、決算情報?説明会資料については、WEBサイト上に和英同時公開を行うほか、その説明会の模様について音声配信や質疑応答の掲載を行っています。